2012年にユネスコの世界遺産に登録されたバリ島の遺産は、
"トリ・ヒタ・カラナというバリ・ヒンドゥーの教えに基づいた
スバックというバリ島独実の水利システムによって維持される
バリ島の水田地域の文化遺産と景観"
というものでした。
通常、世界遺産というと、「ボロブドゥール寺院」とか、「富士山」とか
あるものを指しているのですが、バリ島の場合、なんとも曖昧な表現のため、
「だから、何が世界遺産なの?テガラランの棚田は、世界遺産?
ゴアガジャは入るのかな?... etc」と、戸惑ってしまいました。
けれども、スバックについて知るうちに、ユネスコの言う
"トリ・ヒタ・カラナというバリ・ヒンドゥーの教えに基づいた
スバックというバリ島独実の水利システムによって維持される
バリ島の水田地域の文化遺産と景観"
というものが、そういわざるを得ない、ということが分かってきました。
どうでしょうか。
"スバックて何?" と興味が沸いてきませんか?
そんな、スバックについて知ることができる"スバック博物館"というのが
タバナンには、あったのです!
バリ島の"穀倉地帯"といわれ、バリ島の中でも、稲作の盛んなタバナン県には
もっともたくさんのスバックがあります。
"タバナンこそ、スバック博物館の設立にふさわしい場所"と、
1981年スバックに関連する道具の保護や収集、
スバックに関するデータなどを提供することを目的に、スバック博物館ができました。
設立以来、世界的にも注目されているバリ島独特のスバックの勉強のために、
インドネシア各地の学校から、社会見学にも訪れられています。
つまり、世界遺産に登録されるずい分前から、
"スバック"は国内外から注目されていたのです。(←バリチリが知らなかっただけ?)
こちらがスバック博物館の外観
緑がいっぱいの落ち着いた場所にあります。
スバック博物館の広々とした館内の様子
職員の方が、館内を案内してくれ、最初にスバックの大まかな説明をしてくれます。
写真は、スバックの説明をしてくれている職員の方のインドネシア語を
バリチリの日本語ガイドが訳してくれているところです。
スバックの組織図
スバックは、長、書記、会計などの役員と構成員から成り立っています。
構成員は、田んぼを持っている人で、田んぼを売ったりして田んぼを持たなくなると
スバックのメンバーからは外れます。
構成員は定期的な会議に参加し、そこで、田植えのスケジュールや、祭りなどの
行事が決められます。
館内には、スバックの仕組みを説明した図や写真、
以前、田んぼで使っていた道具などが展示されています。
代掻きの道具です
水を引いてくる様子を写真で説明しています。
下の木の道具は、水路を流れる水の量を調整するためのもの。
ピナンと呼ばれる木の中をくりぬいたものを、水を引くときに使っています。
その他にも、バリ島の家庭や台所で使う伝統的な道具なども展示されています。
ヤシの実をくりぬいて作った器
お米を蒸す道具や水がめなど
博物館の敷地には、田んぼもあり、実際に水が流れている水路があります。
博物館の外には、バリ島の伝統的な農家を再現したものもあり、
見学ができます。
バリ島の方位に基づいて、各建物が敷地内に配置されています。
お米を保存するための米蔵
ねずみが入らないよう、湿気から守るよう、様々な工夫がされています。
スバック博物館は、館内と外の施設などをあわせて1時間弱で回れると思います。
タマンアユン寺院やジャティルイに行く際には、立ち寄ることが可能です。
スバック内には、3つのお寺があり、個々の田んぼにも神様をまつる祠があるそうです。
スバックのメンバーはこれらのお寺のお祭りを執り行う義務があります。
スバックのメンバーはスバックに会費を納めること、神事を執り行う義務がある一方、
自身の田んぼに水を供給される権利があります。
このようにスバックというのはバリ島の共同体の一つであることが分かります。
そして、その共同体は、神、自然、人からなっています。
バリ・ヒンドゥー教の哲学に「トリ・ヒタ・カラナ」という幸福の3つの要因を
表す言葉があります。
パラヒャンガン 神と人との調和
パウォガン 人と人との調和
パルマハン 人と周囲の自然との調和
水を万物の始まりとし大切に祭り(人と周囲の自然との調和)、
スバックの成員で、協力してそれぞれの田んぼに水が行き渡るようにし
(人と人との調和)、水や稲作に関する儀礼を執り行う(神と人との調和)。
スバックはこの3つの要因を元になりたっており、
スバックそのものがバリ・ヒンドゥーの哲学を体現したものともいえるのです。
私たちは、バリ島の美しい棚田や田園の風景を見て心が和み癒されます。
この美しい風景は、正に神と人、人と人、人と自然との調和によるものなのです。
スバックという言葉は1072年の古文書に既に存在が記されているので、
おそらく、それ以前、8-9世紀ごろから利用されていたとみられています。
つまり、この美しい田んぼの風景は、1,000年以上変わらず、バリ島にあったのです。
ところで、2010年現在、バリ島には1,602のスバックがあり、
スバックの所有する田んぼの面積は86,911,047haと言われていますが、
近年、バリ島の田んぼは著しい勢いで減少していることも事実です。
つい、数年前までは田んぼだったところに、ヴィラや住宅、ホテルが建設された
というのは珍しいことではなくなりました。
世界遺産として登録された
"トリ・ヒタ・カラナというバリ・ヒンドゥーの教えに基づいた
スバックというバリ島独実の水利システムによって維持される
バリ島の水田地域の文化遺産と景観"
が、いつまでもあるよう強く望みます。
スバック博物館
タバナンの中心部から少し外れたところにあり、南部エリアからは約1時間30分
スバック博物館からジャティルイまではおよそ1時間弱です。
ジャティルイなどを訪れる前に、スバック博物館で、バリ島の田んぼの仕組みを知っておくと
バリ島の田んぼを見るのに、より理解が深まります!
月曜日-土曜日 8:00-16:30
金曜日 8:00-12:30
日曜、インドネシア、バリ島の祝日 休館
●世界遺産をめぐるバリチリのツアーは2つ!
1. タマンアユン寺院、ジャティルイ、ウブドなど
2. ウルン・ダヌ・バトゥール寺院、グヌンカウィ、テガラランなど
●スバック博物館へはバリチリのチャーターカーで!チャーターカーの詳細は、こちら
(お得なキャンペンチャーターカーは8時間6,000円!)
●感動がいっぱい。バリチリのチャーターカーのご感想は、こちら
"そうだ、バリ島へ行こう!"
バリ島旅行の予約が何でもできるサイトはこちら↓
"トリ・ヒタ・カラナというバリ・ヒンドゥーの教えに基づいた
スバックというバリ島独実の水利システムによって維持される
バリ島の水田地域の文化遺産と景観"
というものでした。
通常、世界遺産というと、「ボロブドゥール寺院」とか、「富士山」とか
あるものを指しているのですが、バリ島の場合、なんとも曖昧な表現のため、
「だから、何が世界遺産なの?テガラランの棚田は、世界遺産?
ゴアガジャは入るのかな?... etc」と、戸惑ってしまいました。
けれども、スバックについて知るうちに、ユネスコの言う
"トリ・ヒタ・カラナというバリ・ヒンドゥーの教えに基づいた
スバックというバリ島独実の水利システムによって維持される
バリ島の水田地域の文化遺産と景観"
というものが、そういわざるを得ない、ということが分かってきました。
どうでしょうか。
"スバックて何?" と興味が沸いてきませんか?
そんな、スバックについて知ることができる"スバック博物館"というのが
タバナンには、あったのです!
バリ島の"穀倉地帯"といわれ、バリ島の中でも、稲作の盛んなタバナン県には
もっともたくさんのスバックがあります。
"タバナンこそ、スバック博物館の設立にふさわしい場所"と、
1981年スバックに関連する道具の保護や収集、
スバックに関するデータなどを提供することを目的に、スバック博物館ができました。
設立以来、世界的にも注目されているバリ島独特のスバックの勉強のために、
インドネシア各地の学校から、社会見学にも訪れられています。
つまり、世界遺産に登録されるずい分前から、
"スバック"は国内外から注目されていたのです。(←バリチリが知らなかっただけ?)
こちらがスバック博物館の外観
緑がいっぱいの落ち着いた場所にあります。
スバック博物館の広々とした館内の様子
職員の方が、館内を案内してくれ、最初にスバックの大まかな説明をしてくれます。
写真は、スバックの説明をしてくれている職員の方のインドネシア語を
バリチリの日本語ガイドが訳してくれているところです。
スバックの組織図
スバックは、長、書記、会計などの役員と構成員から成り立っています。
構成員は、田んぼを持っている人で、田んぼを売ったりして田んぼを持たなくなると
スバックのメンバーからは外れます。
構成員は定期的な会議に参加し、そこで、田植えのスケジュールや、祭りなどの
行事が決められます。
館内には、スバックの仕組みを説明した図や写真、
以前、田んぼで使っていた道具などが展示されています。
代掻きの道具です
水を引いてくる様子を写真で説明しています。
下の木の道具は、水路を流れる水の量を調整するためのもの。
ピナンと呼ばれる木の中をくりぬいたものを、水を引くときに使っています。
その他にも、バリ島の家庭や台所で使う伝統的な道具なども展示されています。
ヤシの実をくりぬいて作った器
お米を蒸す道具や水がめなど
博物館の敷地には、田んぼもあり、実際に水が流れている水路があります。
博物館の外には、バリ島の伝統的な農家を再現したものもあり、
見学ができます。
バリ島の方位に基づいて、各建物が敷地内に配置されています。
お米を保存するための米蔵
ねずみが入らないよう、湿気から守るよう、様々な工夫がされています。
スバック博物館は、館内と外の施設などをあわせて1時間弱で回れると思います。
タマンアユン寺院やジャティルイに行く際には、立ち寄ることが可能です。
スバック内には、3つのお寺があり、個々の田んぼにも神様をまつる祠があるそうです。
スバックのメンバーはこれらのお寺のお祭りを執り行う義務があります。
スバックのメンバーはスバックに会費を納めること、神事を執り行う義務がある一方、
自身の田んぼに水を供給される権利があります。
このようにスバックというのはバリ島の共同体の一つであることが分かります。
そして、その共同体は、神、自然、人からなっています。
バリ・ヒンドゥー教の哲学に「トリ・ヒタ・カラナ」という幸福の3つの要因を
表す言葉があります。
パラヒャンガン 神と人との調和
パウォガン 人と人との調和
パルマハン 人と周囲の自然との調和
水を万物の始まりとし大切に祭り(人と周囲の自然との調和)、
スバックの成員で、協力してそれぞれの田んぼに水が行き渡るようにし
(人と人との調和)、水や稲作に関する儀礼を執り行う(神と人との調和)。
スバックはこの3つの要因を元になりたっており、
スバックそのものがバリ・ヒンドゥーの哲学を体現したものともいえるのです。
私たちは、バリ島の美しい棚田や田園の風景を見て心が和み癒されます。
この美しい風景は、正に神と人、人と人、人と自然との調和によるものなのです。
スバックという言葉は1072年の古文書に既に存在が記されているので、
おそらく、それ以前、8-9世紀ごろから利用されていたとみられています。
つまり、この美しい田んぼの風景は、1,000年以上変わらず、バリ島にあったのです。
ところで、2010年現在、バリ島には1,602のスバックがあり、
スバックの所有する田んぼの面積は86,911,047haと言われていますが、
近年、バリ島の田んぼは著しい勢いで減少していることも事実です。
つい、数年前までは田んぼだったところに、ヴィラや住宅、ホテルが建設された
というのは珍しいことではなくなりました。
世界遺産として登録された
"トリ・ヒタ・カラナというバリ・ヒンドゥーの教えに基づいた
スバックというバリ島独実の水利システムによって維持される
バリ島の水田地域の文化遺産と景観"
が、いつまでもあるよう強く望みます。
スバック博物館
タバナンの中心部から少し外れたところにあり、南部エリアからは約1時間30分
スバック博物館からジャティルイまではおよそ1時間弱です。
ジャティルイなどを訪れる前に、スバック博物館で、バリ島の田んぼの仕組みを知っておくと
バリ島の田んぼを見るのに、より理解が深まります!
月曜日-土曜日 8:00-16:30
金曜日 8:00-12:30
日曜、インドネシア、バリ島の祝日 休館
●世界遺産をめぐるバリチリのツアーは2つ!
1. タマンアユン寺院、ジャティルイ、ウブドなど
2. ウルン・ダヌ・バトゥール寺院、グヌンカウィ、テガラランなど
●スバック博物館へはバリチリのチャーターカーで!チャーターカーの詳細は、こちら
(お得なキャンペンチャーターカーは8時間6,000円!)
●感動がいっぱい。バリチリのチャーターカーのご感想は、こちら
"そうだ、バリ島へ行こう!"
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