本日は、ちょっと変わった場所のご紹介です。
タバナンのマルガというところにあるマルガ英雄墓地です。
マルガは、バリ島で最も美しいといわれるタマンアユン寺院から北に30分ほどのところです。
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インドネシア国内には、ジャカルタ、スラバヤ、メダンなど各地に
インドネシア独立戦争中に亡くなった将兵と、独立戦争後に亡くなった元将兵が
埋葬される英雄墓地がありますが、このマルガ英雄墓地もその一つです。
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マルガという場所は、1946年11月20日、
オランダ軍とバリ島の英雄グスティ・グラライ将軍の率いる部隊との間で、
戦闘があったところで、彼の率いる部隊の94名は降伏勧告を拒否し、玉砕(ププタン)しました。
この中には、第2次世界大戦後、バリ島に残留していた12人の日本人もいました。
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公園内は国によって管理されており、きれいに整えられています。
毎年、11月20日には追悼の儀式が行われており、
地元の新聞では、友人の追悼のために、毎年日本からこの儀式に参加する
日本人のことが紹介されていることもありました。
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大きなモニュメント(トゥグ)があり、グスティ・グラライの写真が飾られています。
ここで、バリ・ヒンドゥーにのっとって、追悼の祈りを捧げます。
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グスティ・グラライの他、バリ島内のインドネシア独立戦争で亡くなった
1,372名の名前が記された碑
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日本(Jepang)という記載があります
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一人一人の墓石。周囲を田んぼに囲まれ、広々した場所です
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グスティ・グラライのものが一番前にあります
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日本人の名前が記されたもの
バリ・ヒンドゥーのお祈りに欠かせないお供えのチャナンが置いてあります。
定期的にお祈りが行われているようです。
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インドネシアは、日本の敗戦の2日後、1945年8月17日に独立を宣言しますが、
独立宣言=実質的な独立とはならず、オランダ軍との間で、インドネシア各地で、
4年にわたる独立戦争が続きます。
この独立戦争に、実は日本人も参加していたことは、
あまり知られていないのではないでしょうか。

稀にですが、バリチリのチャーターカーの行き先にマルガ英雄墓地を
ご指定いただくことがあります。年配の方だけではなく、若いお客様もいらっしゃいます。
バリ島のご旅行の際に、このような場所を選ばれる見識の広さに感銘します。

今日は、一般的な観光スポットではなく、こんな場所もありますよ、というご紹介でした。